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カレーコンサルタント高津の熱血カレー道場(2) カレーで「まちおこし」の成功事例

カレーコンサルタントの高津洋行です。近年、さまざまな料理による「まちおこし」の事例が、多数見られます。中でも、カレーのインパクトは強く、一躍有名観光地となることも。今回はそんなカレーのまちおこし事例をご紹介いたします。

最も知名度が高い横須賀

まず、最も知名度の高い“カレーの町”は、横須賀で異論はないでしょう。もともと、イギリス海軍の「軍隊食」だったカレー。横須賀市のホームページによると、明治期の日本海軍は、イギリス海軍を範としていたこともあり、栄養バランスがよく、調理が簡単なカレーを食事に取り入れたとのことです。これが、現在のカレーのルーツとなっているといい、同HPでは「横須賀は海軍の発祥以来、海軍とともに歩んで来た街であり、カレーは横須賀から全国に広がったといっても過言ではありません」と胸を張っています。

 

茨城県土浦市も、“カレーの町”として有名です。茨城県公式観光情報サイト「観光いばらき」には、土浦とカレーの歴史の解説が掲載されています。同サイトによると、今から90年近く前の1929年、当時世界最大級のドイツの大型飛行船「ツェッペリン伯号」が世界一周の途中、土浦に飛来。その際、飛行船の乗組員に、土浦ならではの食材を使ったカレーをふるまって歓迎したという記録が残っているといいます。その縁を受けて土浦市では、2004年からカレーによるまちづくりがスタートしました。「土浦カレーフェスティバル」は、全国ご当地カレーも集合する、一大イベントです。

 

ほかにも富良野のオムカレーなど、カレーによるまちおこし事例は、枚挙に暇(いとま)がありません。

九州では門司港がカレーの雄

九州でカレーの町といえば、どこが思い浮かぶでしょうか。すぐには浮かんでこないかもしれません。しかし、「焼きカレー」と聞くと、九州在住の方であれば、イメージが湧くでしょう。そう、門司港です。

 

レトロな景観が家族連れやカップルに人気の門司港。その景観から、大昔から焼きカレーがあったのかと思いきや、実はここ10年ほどの話なのです。

 

もともと、昭和30年代に、ある喫茶店のまかない料理として出されていたのが原点とされています。ある日、常連客に提供したところ、大変評判になったという話が伝わっています。しかし、ご当地グルメとしては定着しませんでした。

 

そこから長い年月が経過した後、地元で「門司港に観光客を呼べるご当地グルメを作ろう」との声が上がります。それをきっかけに、行政や地元の有志らが立ち上がり、2007年に「門司港焼きカレー倶楽部」という団体が発足しました。今では、30店以上が焼きカレーを提供。「焼きカレーマップ」を手にする多くの観光客で賑わっています。

シンプルなルールとストーリーが成功要因

門司港でまちおこしが成功した理由は何でしょうか。まず、門司港のレトロな景観(トップ画像参照)と、チーズをのせてオーブンで焼いたグラタン風の焼きカレーのイメージが合致している点です。まちおこしまでのストーリーも重要ですね。

 

次に、行政と民間が一緒になって盛り上げた点。そして最後が、「カレーにチーズを乗せて焼く」というシンプルなルールとし、各店舗の自由度を高めた点です。特定の生鮮食料品や高価な食品を使うことがないため、参入障壁が極めて低い。結果、お店独自のバリエーションが増え、門司港へのリピーターが増えたのです。もちろんこれ以外にもさまざまな要因はあるかと思いますが、一つの成功パターンとして、私たちが学ぶべきことは多いですね。

 

もし、カレーにまつわるストーリーがある町ならば、カレーを使ったまちおこし、場合によっては単独で始める“店おこし”を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

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